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Interview
SDGsの先駆者に訊く

Re:toucher 56
お客さまの「ありがとう!」を
集められる鈑金塗装屋になりたい。

UPDATE
坪井自動車鈑金有限会社(岐阜県大垣市)

代表 坪井 英倖さん
インタビュアー Re:touchエグゼクティブプロデューサー 田中 信康
SDGsターゲット
  • 03 すべての人に健康と福祉を
  • 08 働きがいも経済成長も
  • 10 人や国の不平等をなくそう
  • 12 つくる責任 つかう責任
  • 13 気候変動に具体的な対策を
  • 17 パートナーシップで目標を達成しよう
※このターゲットはRe:touch編集部の視点によるものです
大垣市で祖父の代から65年続く坪井自動車鈑金。クルマの安全性能が向上し、鈑金塗装の仕事が減少傾向にあるなか、テュフ ラインランド ジャパンのプラチナ認定やBMWの認定ボディショップ、また、福祉車両への改造などにも事業領域を拡大してきた。
そして、創業から3代受け継いできた鈑金塗装でも大改革を断行。6年ほど前、それまでの溶剤系の塗料から水性塗料に100%切り替えた。日本の気候にあわせて作られている溶剤系の塗料は使い勝手もよく安価。しかし、坪井自動車鈑金は、コストアップは避けられないが、環境や人にやさしい水性塗料を選んだ。
坪井自動車鈑金は、ぎふSDGs推進パートナー登録制度でもゴールドパートナーに登録されている。こうしたSDGsへの取り組みが評価されて、世界的総合化学メーカーで、国連とともにSDGsの立ち上げにも参画したBASF社の、自動車補修塗料のプレミアムブランドR-Mの最新の環境配慮型クリヤーコート「パイオニアシリーズ」を取り扱う日本で最初の認定工場に選ばれた。
今回は、水性塗料に切り替えたことでスタッフのレベルアップややりがいにつながったと話す坪井英倖社長にお話を聞いた。

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次の時代の鈑金塗装に向けて、
スタッフと一緒に成長している。

田中:今回は、以前にご登場いただきました坪井自動車鈑金さんのアップデート版になります。前回インタビューさせていただいた時には「SDGsだからと特に意識しているわけではなく、本当にいいことなのだから、どんどん取り組んでいきたい」ってお話されていました。あれから3年で、ぎふSDGs推進パートナー登録制度ではゴールドパートナーに登録されていますし、先日は大垣市の市民環境賞も受賞されて、すごいスピードで走られてきましたね

坪井:うちみたいな鈑金塗装の町工場が、地球環境のために、地域のために、スタッフのために、何ができるんだろうって考えながらやってきましたが、会社のなかで一体感みたいなものが感じられるようになりました。次の時代の坪井自動車鈑金へ向かって、私とスタッフが一緒に成長できている。そう思うことが最近はよくありますね

田中:福祉車両への改造も全国からの問い合わせが多くなっているそうですし、そうした本業を通じた社会へのインパクトにつながっていらっしゃると思います。それに、坪井さんは相変わらず楽しそうにやられていますね。

坪井:ありがとうございます。

田中:会社もずいぶんとイメージが変わりましたね。

坪井:やっぱり女性が入りやすい、子ども、男性も、シニアも入りやすくしようと、こういった接客スペースになったわけです。自動車産業もネガティブな話題が多くて、せめて気持ちぐらいは明るくしようと。お客さまからも、楽しそうにやっているねってよくいわれます。

田中:楽しく仕事ができるって本当にすごいですね。

坪井:先ほどの福祉車両への改造って、とてもやりがいがあって楽しいんですね。サポートが必要な方って、自分にあったクルマがなかなかない。自分にあわせて改造するしかない。それで、近隣の車屋さんに相談してみると、それはできませんってなるわけです。そんな方が坪井自動車鈑金ならできるとお聞きになられてお問い合わせいただいた時に、あ、それできますよ。クルマも自由に選んでいただけますよっていうと、ものすごく喜んでいただけます
サポートが必要な方は出かけたい時に出かけられないという制限のなかで生活をされてきたわけですが、マイカーを改造して差し上げるだけで前に進んでもらうことができる。こうしたお客さまからいただける「ありがとう!」の一言は、本当に心に響くんですよ。お客さまからのありがとう!はみんなうれしいんですが、どこか違うところがあります

田中:とてもやりがいがありますね。

坪井:それはスタッフも感じてくれていて、そういったありがとう!をいただいているので、仕事もがんばりすぎてしまってみたいな。頼まれてもいないのにどんどんやっちゃう、しかもとても楽しそうにやっている。そういった仕事に携わらせてもっているので、私もスタッフも楽しく仕事ができているのでしょう。それがお客さまにも伝わって、楽しそうに仕事しているねっていってもらえるのは、正直うれしいですね

田中:やっぱり、お客さまの声を直接聞くことができるって、ありがとう!っていってもらえるほかにも、仕事の幅を広げていくことができますもんね。

坪井:それはありますね。以前はカーディラーさんなどからいただく仕事が90%でしたが、現在は福祉車両への改造をはじめお客さまから直接発注していただくことも増えてきました

田中:お客さまの反応も変わってきているんですか?

坪井:それはもう顕著ですね。福祉車両への改造や販売などにも携わってきたんですが、年々、問い合わせや改造事例が増えてきています。あと、お電話をいただけるところが、例えば、北海道とか、長野とか、兵庫とか、もう全国各地からお問い合わせいただけて、その件数は年々増加している状態です

田中:それは、口コミでですか?

坪井:ほとんどがSNSですね。あとはホームページ、ネットで見たよっていう方が多いです。地元ですと、例えば、前にNHKに出ていましたよねって、いまだに声をかけていただけますし、新聞とか見たよって。

田中:福祉車両の改造のように事業領域を広げていこうとすると、それにあわせて設備投資も必要になってきますよね。

坪井:ありがたいことに、中小企業庁のものづくり補助金を活用したりしています。クルマがどんどん進化していますので、いやおうなしに設備投資はしていかないといけません。その最たるものが、やっぱり塗料ですね


BASFの自動車補修塗料のプレミアムブランドR-Mの
環境配慮型クリヤーコート認定工場に。

田中:私も、Facebookを見てびっくりしました。ドイツの世界的化学メーカーBASFが、坪井自動車鈑金さんを最新の環境配慮型クリヤーコート「パイオニアシリーズ」取り扱い工場に認定したんですね

坪井:はい。日本の第1号です

田中:今回の環境配慮型塗料の導入に先駆けて、BASFの水性塗料に切り替えようと思ったきっかけは何だったんですか?

坪井:うちもずっと溶剤系の塗料を使っていたんですが、やっぱり環境や人への負荷が小さい水性塗料にしたいと。新車が水性塗料になってきているなかで、どうして修理する時に溶剤系の塗料にするの?やっぱり水性塗料にしていかないと、と思いました。

田中:水性塗料に切り替えられてどれくらいになるんですか?

坪井:BASFのパイオニアシリーズはリリースされたばかりですが、R-Mの水性塗料「オニキスHD」は8年になりますね。

田中:サステナビリティのあるある話で、環境配慮の製品とそうでないものどっち選びますかって聞くと、みんな環境配慮の方を選びますと。じゃあ、環境配慮の方が少し高くなりますが、どうします?って聞くと、環境配慮していない安い方に流れてしまうんですね。

坪井:残念ながら、日本の自動車修理業の塗装って、まだまだ溶剤系の塗料が使われている。田中さんがおっしゃったように、コスト面だったりとかいろんな理由がありますが、世界的に見たらもうそろそろ日本も切り替えていかないと、と思います。BASFは国連と一緒にSDGsを立ち上げたメンバーで、SDGsをすごく意識して作った塗料なんですね。正直にいうと、高いなとは感じますが。

田中:そうでしょうね。

坪井:ただ、ちゃんとご理解いただけるお客さまもいらっしゃいます。私も、この塗料はこういう理由で高いんですよって、きちんと説明をさせてもらったうえで、その対価をいただくようにはしています。じゃあ、塗料としての品質はどうかというと、これがまたすごくいいんですよ。発色や色の再現性、つや肌がすばらしい。私も最初は少し迷いましたが、BASFに(パイオニアシリーズの取り扱い認定工場として)認定してもらったことで、いろいろと声をかけいただけるので、本当によかったと喜んでいます
水性塗料を使っている前に、やっぱりきちんとしている会社なんですねって、みなさんから評価されるのが、私もうれしい。それが、スタッフの耳にも入るんですよ。そうすると、自分たちはちゃんとした工場で働いているんだっていう意識になる。わかりやすくいうと、やっぱり塗った時の色の肌が前と比べて違うんですよ。だから、スタッフの技術が1ランクも2ランクも上がっていく。そうやってレベルが上がると当然、お客さまもそういったことを評価していただけるようになります
うちの工場に、新車のレクサスを塗ってくださいっていうお客さまが普通にいらっしゃるんですが、スタッフにすれば新車のレクサスをやらせてもらっているよって友達に話をする。そうすると、友達もおまえすごいなって、坪井自動車鈑金すごいなって。それが、やりがいにつながってくれると、私もうれしいし、それを意識してやっています

田中:こうしたことに取り組んでいると、自動車産業にとどまらず、いろいろなご縁につながるかもしれませんね。

坪井:そうですね。もうすでにぼつぼつと出てきていますよ。

田中:それは楽しみですね。自動車産業も大変革といわれるなかで、EVですらどうなるかわからなくなりましたが、逆にいろんな可能性もあるということですから。水性塗料に切り替える前から、BASFの塗料を使っていたんですか?

坪井:それまでは国産メーカーの塗料を使っていました。国産メーカーの塗料は使いやすいですし、もちろんコスト面も無視できません。うちは鈑金塗装を65年やっていますが、かなり長い間同じメーカーの塗料を使ってきましたので、やっぱり使い慣れているっていうのがありました。

田中:それを、BASFの水性塗料に切り替えたと。

坪井:ISO14001の認証を取得した時に、うちの会社の近くには小学校がありますし、子どもたちのこと、地域のこと、スタッフのことを考えたら、水性塗料にした方がいいのではと強く思いました。ただ、材料費が高くなるわけですからものすごく悩みましたが、全国を駆け回ってどうして水性塗料がいいのかを勉強して、お客さまにしっかりとご説明できるようにしました

田中:最近、円安や原油高で原材料や光熱費が値上がりしていますが、なかなかお客さまに転嫁でききるものではありません。また、長年にわたり取り引きされてきた業者さんですから、苦しい判断をされたんだと思います。


若い男性が入社してくれて、
SDGsをやってきてよかった。

坪井:うちが水性塗料に100%切り替えてすぐにコロナ禍がやってきましたので、コロナ禍で仕事の量が減ったり働き方が変わったりして、お客さまや業者さんに容認してもらったというのが本当にところです。ただ、それで坪井自動車鈑金も大きく舵を切ることができました。
それに、両親が理解してくれたのも大きかったですね。最近のクルマは、衝突被害軽減ブレーキとかで事故しないようになっています。そんな鈑金塗装の仕事が減っていくなかで、水性塗料でコストアップしようというのですから。私で3代目になるんですが、3代目に任せたんだからと見守ってもらいましたが、両親にしたら心配だったと思います。

田中:不安だったと思いますよ。

坪井:水性塗料に100%切り替えて6年目になりますが、毎年ちょっとずつ売上が上がってきているんですね。なので、両親も最初はどうなることかと思ったんでしょうが、最近になってやっと理解がちょっとだけ深まったんでは。ただ、まだまだ厳しい状況が続くのではというなかで、2023年には21歳の男性が入社してくれました。

田中:今はどこの会社も人材不足ですからね。

坪井:はい。SDGsってやっていて意味があるのって、私の両親とかはどストレートに聞いてくるわけですよ。私の友人もスタッフもそう思っていると思います。で、21歳の元気な男性が入ってきたよって。え、そんなことあるの?って、あったんですよって。
鈑金塗装の町工場がSDGsに取り組んでいるって取材に来てもらえたんですよ。健康経営優良法人の関係で撮影に来てくれた方が、すばらしいですねって感動してくれて、こんな会社だったらその方の弟をどうぞって。でも、それってすごいことだと思うんですよ。

田中:すごい。うん。

坪井:弟の人生をお任せしますって、あ、そういうことですよねって、私はストレートに受け止めて、ありがとうございますと。今も元気に働いてくれていて、本当にSDGsをやっていてよかったなって。これは声を大にしていいたいです。SDGsで新入社員が入ってきたよって
企業としては売上を上げて、スタッフに給料を払って、会社を発展させることも、確かに大切です。でも、坪井自動車鈑金で働いていたい、働いてよかったな、働くことで、こんなビジョンが見られる会社だぞって、やっぱり必要だと思っています
最近、友人にSDGsをやれやっていわないんですよ。私がいつもいっているように、できているところから、何かしらできているはずなんです。それを、SDGsを難しく考えてしまっているので、SDGsって何だろうって。いやいや、もうこれ、十分、SDGsですよって。できる範囲でお声がけさせていただくことも大切なのかなって思っています

田中:いや、もう、おっしゃる通りです。やっぱり自分たちが思いを持ってやっていることを、しっかりと発信していくことがものすごく大事な世の中になってきているし、特に若い人たちってそういうことに敏感になってきているんで。SDGsへの取り組みを見て、会社に入りたいっていう若い人が、どんどん多くなっているんですよ

坪井:それは感じますね。

田中:すごくいいお話をお聞きしました。Re:touchのなかでもベストプラクティスですよ。SDGsにがんばっていらっしゃる地域企業のみなさんの励みになります

坪井:そうだとうれしいですね。

田中:BASFの「パイオニアシリーズ」の認証に戻りますが、全国の大企業を差し置いて坪井自動車鈑金さんが選ばれたって、本当にすばらしいことだと感じています。水性塗料や、環境配慮型の新製品の取引量とか大人の事情ではなく、坪井自動車鈑金さんのSDGsへの取り組みをしっかり評価されているんですもんね。グローバルではちゃんとやられていることですので、これからの日本の道しるべになられていくと思います

坪井:ありがとうございます。

田中:テュフ ラインランド ジャパンのプラチナ認定やBMWの認定ボディショップだけでなく、今度はあのBASFが日本で初めて認定(環境配慮型クリヤーコート「パイオニアシリーズ」の取り扱い工場として)したんですからね。

坪井:正直、うちよりも早く水性塗料に切り替えた会社や、輸入車を取り扱っている大きな会社があるなかで、坪井自動車鈑金が選ばれて、私もとても驚いています。

田中:子どもたちや地域、そして、スタッフにやさしいからと、坪井自動車鈑金さんはモチベーションがまったく違いますもんね。

坪井:それをちゃんとBASFさんは見てくれているんですよ。それもすごく鋭い目線で見てくれていて、そこを評価していただけたのかなと思っています。

田中:いや、それは絶対ですよ。マスコミからの取材依頼も殺到しているのでは?

坪井:日刊自動車新聞という業界紙にはもう掲載されました。

田中:まずは、業界紙からですね。


水性塗料に切り替えたことで、
スタッフにやりがいが芽生えた。

坪井:スタッフが水性塗料にして、もう元には戻れないと。やっぱり、クルマの塗装がきれいにできると声をそろえていいます。みんな仕事をしたあとに満足感みたいなものがあって、そうしたことが技術の向上につながっていく。こうした経験からお客さまに説明すると、お客さまもご理解いただけるんですよ。
結局、子どもたちや地域、スタッフにもやさしいというだけでなく、塗装後の仕上がりが美しいし、それを実現できる技術がスタッフにあることをわかってもらえれば、お客さまも少し高くなってもいいかってなるんですね。水性塗料の付加価値という簡単な言葉では説明できない、水性塗料の方が絶対にいいですよっていうスタッフの強い思いが、お客さまの心を動かしているんだと思います
水性塗料に切り替えた当初はうちも大変でしたが、そのマイナスがあとになってプラスに転換してくる。坪井自動車鈑金はこんなことやっているよっていわれれば、スタッフもやりがいがありますし、ずっとここで働きたいと思ってくれるのではないでしょうか。単に水性塗料のアドバンテージだけではない波及効果が、会社の至るところで表れてくれることを確信しています。

田中:今、たくさんの会社が企業価値を高めることにものすごく苦しんでいて、労力もかかるし、いろんなこと考えなきゃいけないし、これにはお金も当然かかる。SDGsだってお金かかるんですよ。よく社会貢献的な視点だけでとらえられる方もいますが、私は絶対に違うから、経済合理性も加味して、それが融合した時にSDGsのよさが本当に実証されるので
先ほどのリクルーティングですごく成功したっていうのも、1つの経済合理性につながっていくことになってくるし、本業のところでも金の話をせずしてSDGsを語るなぐらいのことを、私は思っているんですよね

坪井:耳が痛い。

田中:BASFのような会社からの評価につながっていくと、SDGsに取り組んできた意義もありますし。

坪井:ありがとうございます。

田中:本当に、サプライチェーンにも自分たちの判断基準を求める時代になっていますから。ましてや世界最先端のBASFですから。

坪井:今後の反応がすごく楽しみではあります。

田中:今後、坪井自動車鈑金をどうしていきたいとお考えですか? 65年の歴史があるとのことですが、例えば100年企業に向けてとか。

坪井:祖父が始めて、父が継いで、私になるわけですが、西濃地域では最古参の鈑金塗装屋なんですよ。古いからいいというわけではありませんが、やっぱり地域でがんばっている同業者と協力して、鈑金塗装の発展に貢献していきたいです。私が生まれた時から鈑金塗装をやっているので、これからも会社の中心として残していきたいと思っています。
でも、クルマも事故を起こさないように進化していますし、タイヤだってどんどん性能がよくなっていて、日本では道路もしっかりと整備されています。そうしたことを考えると、鈑金塗装はこれから縮小していくことが予想できるなかで、鈑金塗装も時代に適応していかなければなりません
地域の同業者のなかには、坪井自動車鈑金がこんなことをしていて、鈑金塗装にはこんなん必要じゃない?っていう会社もあります。やっぱり、みんなと一緒になって、まちの、西濃地域の、岐阜県の鈑金塗装がよくなっていかなければというビジョンはいつも持っています。
ただ、鈑金塗装だけでは厳しいので、輸入車に力を入れてみたり、福祉車両への改造を始めたり。特に、地方では働き手不足が社会課題になっているなかで、スタッフの給料も上げていかなくてはならない。現状は自動車産業のなかにあって、事業領域を広げていくしかないと考えています

田中:そうなんですね。

坪井:あとは、先ほど、ありがとう!の話をしましたが、これからはいろいろなありがとう!を集めていきたいと思います。私たちの鈑金塗装する技術や福祉車両へ改造する技術、こうしたうちの会社の固有技術でお客さまに喜んでもらえる。そのなかからいただけるありがとう!を集めていこうって、スタッフとも話をしています。それが一番大切かなと思っています。
経営者としては売上を上げていく、利益を上げていくのはもちろんですが、やっぱり仕事のやりがいとか、お客さまに喜んでもらうことをやっていきたい。会社は時代に適応しないと生き残れませんが、こうした変えてはいけないことはしっかり守っていきたいと思います。
そして、何より楽しく働きたい。いろいろと大変なこともありますが、明るく向き合っていくことを心がけています


「ありがとう!」を集めていこうと、
スタッフとも話をしている。

田中:いや、BASF(コーティングス事業部)が認定された理由がよくわかりました。今のお話は、パーパスとか、会社の存在意義とか呼ばれるもので、ものすごく大事なところなんですよ。坪井自動車鈑金さんの存在意義が凝縮されているなと思いますし、坪井さんとご縁をいただいててよかったなと改めて思いました。
私たちがこのRe:touchを始めたのは、さっき坪井さんもおっしゃったように、西濃地域でいい意味でしっかりとタッグを組む。これは、困ったときはお互いさまで、本当に相談できる相手をどんどん増やしたいっていうのが、まず第一なんです。これが、お金では買えない何かにつながっていくと思っています
やっぱり多様性の時代で大企業とか中小企業との連携とか、こういうところのシナジーって、これからどんどん生まれてくると思います。自分たちの会社はこうだって強い思いを持って、先ほどおっしゃったようなことをビジョンとして掲げられているのは、本当にすばらしいなと思います。

坪井:先日、BASFの塗料販売店が集まる会がありまして、そこで20分ぐらいお話をさせていただいたんですよ。BASFはきっと、ユーザーがどんな思いでR-Mっていうブランドを使っているのかを伝えたかった。で、うちの会社を選んでいただいたっていうことでしょう。坪井自動車鈑金としては、全国の方々にPRができてよかったです。

田中:本当にそうですね。今日は、ご多用のなかありがとうございました。

TOPIC

  • 13 気候変動に具体的な対策を
  • 17 パートナーシップで目標を達成しよう
※このターゲットはRe:touch編集部の視点によるものです
世界的な総合化学メーカーのBASF社から、
日本で初めて環境配慮型クリヤーコート「パイオニアシリーズ」認定工場に選ばれる。
世界的な総合化学メーカーとして知られており、国連とともにSDGsの立ち上げに参画したBASF。環境保護と社会的責任の追及、経済的な成功の3つを同時に進めており、その自動車補修塗料のプレミアムブランドR-Mは、再生可能原料を使った環境配慮型クリヤーコート「パイオニアシリーズ」をリリースしている。
坪井自動車鈑金では、6年前、自然環境にはもちろん本社に隣接する小学校や地域、そして、スタッフにもやさしいBASFの自動車補修用水性塗料R-M「オニキスHD」に100%切り替えた。現在では、コストアップという致命傷になりかねない障壁を乗り越えて、スタッフの技術が向上しただけでなく鈑金塗装のやりがいにもつながっている。
また、坪井自動車鈑金はぎふSDGs推進パートナー登録制度でゴールドパートナーにも登録。こうしたSDGsへの取り組みが評価されて、BASFジャパンコーティングス事業部から日本初となる環境配慮型クリヤーコート「パイオニアシリーズ」の取り扱い工場に認定された。次の時代の鈑金塗装に向かって、スタッフと一緒になって成長できていると、坪井英倖はその先を見つめる。

Company PROFILE

企業名(団体名) 坪井自動車鈑金有限会社
代表者名 坪井英倖
所在地 〒503-0837
岐阜県大垣市安井町3丁目5番地

Re:touch Point!

会社の存在意義を明確にして、スタッフと共有されている。

Re:touch
エグゼクティブプロデューサー
田中 信康
坪井自動車鈑金さんがBASFの認定工場に選ばれたことは、取材当日にFacebookで知った。BASFのことをご存じない方もいらっしゃると思うが、グローバルではすごく有名な総合化学メーカーで、日本初というのだからこれは快挙といっても過言ではない。
6年ほど前、BASFの水性塗料に100%切り替えたのは、まさに社運を賭けた一大決心だったでしょう。その成果は会社としての利益にとどまらず、スタッフの技術や働く姿勢にも表れている。お客さまからの「ありがとう!」を集められるようになりたい。それは、お客さまに喜んでもらうことから始まる。こうした会社の存在意義をスタッフと共有されているのもすばらしい。
2023年、坪井自動車鈑金さんに若い男性が入社した。坪井英倖社長はSDGsに取り組んできてよかったと話す。特に、地方で働き手不足が深刻になりつつあるなか、この会社で働きたいという強い思いを持った若い人たちが多くなっている。坪井自動車鈑金さんはまさにRe:touchのベストプラクティスといえる。