お問い合わせ

Interview
SDGsの先駆者に訊く

Re:toucher 38
動物からのメッセージに代え、
SDGsの取り組み契機を伝える。
アーティスト 浦上 愛子さん(岐阜県大垣市)
インタビュアー Re:touchエグゼクティブプロデューサー 田中 信康
SDGsターゲット
  • 12 つくる責任 つかう責任
  • 13 気候変動に具体的な対策を
  • 14 海の豊かさを守ろう
  • 15 陸の豊かさも守ろう
  • 17 パートナーシップで目標を達成しよう
※このターゲットはRe:touch編集部の視点によるものです
文字を使って動物などを精緻に描く「Moji Base Art」(通称:MojiBa)。岐阜県大垣市でアーティストとして活動する浦上愛子さんは、アメリカのロサンゼルスでアートを学んでいた時、アルファベットで絵を描くという課題があった。そのために描いたのが、遠く神戸町で暮らす愛犬のチョコ。チョコへの募る郷愁が、先生が絶賛するアートへと昇華させた。
浦上さんが、動物からのメッセージにして、SDGsへの想いを伝えたいと思ったのは、自分の子どもがきっかけだと話される。プラスチックを食べたウミガメが、海岸で死んでいるのをYouTubeで見て、公園のゴミを拾うようになった。そして、SDGsにまだ取り組めていない大人の背中を押したいと、MojiBaをリサイクル繊維のトートバッグやバナナペーパーのポストカードにして販売することも始めた。
今回は、動物の仕事がしたかったという浦上さんに、「愛情」あふれるMojiBaを見ながらお話を聞いた。

Movie


文字を使って精緻に描く
「MojiBa」(モジバ)。

田中:浦上さんのアートを、こうして実際に拝見すると、やっぱりすごい迫力ですね。これが、「MojiBa」(モジバ)というのですね?

浦上:そうです。文字だけで動物などを描いているので、正式には「Moji Base Art」っていうんですが、長いので省略してMojiBaって呼んでいます。海外でもいいやすいように、また、みなさんに親しんでもらえるようにしています

田中:文字を組み合わせて、こんなに精緻に描ける?!すごい!

浦上:どうぞ、近寄って見てください。そのミニチュアダックスフンドは、「choco」というそのワンちゃんの名前で描いています。

田中: MojiBaのアーティストとして活動を始められてどれくらいになります?

浦上:昨年の1月から始めていて、最初はどうしたらいいのかわらなかったんですが、大垣ビジネスサポートセンターGakiBizの正田嗣文センター長にご相談したら、いろいろとご指導いただけて

田中:このMojiBaという斬新な手法を生み出したきっかけは?

浦上:24歳でアメリカに2回目の留学をしていた時、ロサンゼルスの短大でアートを専攻していたんですが、アルファベットを使って絵を描くという課題があったんです。それで、神戸町で家族と暮らしている大好きなワンちゃんが頭に浮かび、その名前でワンちゃんの似顔絵を描きました。それが、先ほどのミニチュアダックスフンドなんですよ。もっと大ざっぱに描けばよかったんですが、チョコに会えなくてさみしかったんで、どんどんこだわっちゃって。チョコ、チョコって思いながら描いていたら、本当にチョコになっちゃったんですよ

田中:まさにチョコちゃんへの愛を感じる。アルファベットで描かれているとは思えないほど、毛の柔らかさとか細かく描写されていますね

浦上:先生が求めていたのは、こういうのじゃなかったみたいで。どうしてこうなったかはあまり覚えていないんです。

田中:それだけ集中して描かれているので、みんなが感動するアートになるんでしょう。

浦上:チョコの前にもワンちゃんを飼っていて、そのワンちゃんもすごく好きで。卒業制作のテーマを決める時に、レオという名前だったんですが、レオも描かないと不公平だよな、と思って。すると、先生にものすごく評価してもらえました。その際に、こうしたアートがないからやってみたら?っていわれたんですが、私にそんなことができるとはとても思えませんでしたので、そこで勉強をやめてしまったんですね

田中:2007年に再渡米され、3年間いらっしゃったんですね。それが2010年なので、随分前から悶々と構想してきたんだ?!

浦上:そうですね。日本に帰ってきてからも、アーティストとしての活動ってどうなんだろうと思っていて、英会話の講師とか通訳とか英語の仕事ばかりしていました。でも、それはそれで楽しくて、マレーシアで仕事をしていたこともありますよ。自分しかやる人がいないのに、ちょっとやってみたら、でも無理だしみたいな。本当にそういう時期でしたね。

田中:そこがやっぱり難しいところですよね。夢を追いたい気持ちがあっても、どこかで現実を見ている自分がいる。何かアーティストへの印象が変わるし、親近感がわきます

浦上:めっちゃ普通の人ですよ。すごく自信がなくて。海外にいる時も、自分のアートをSNSで公開するのに、すごく勇気が必要で。そんな才能が自分にあるのかもわからない。アーティストって芸能人みたいに、特別な人がやるみたいな。それは、今もあります。

MojiBaのルーツとなる課題のラフスケッチ
MojiBaのルーツとなる課題のラフスケッチ
実際に描いたchocoちゃん
実際に描いたchocoちゃん

アーティストになるのは、
自分じゃないと思っていた。

田中:小さいころから、アーティストになりたいと思っていたのではなく、ある意味、現実的だったのですね?

浦上:絵を描くことはたぶん好きだったんですが、アーティストになるのは自分じゃないと思っていたんですよ、本当に。みんなに好かれようとしたのがいけなかったのかもしれないです。ファッションだっていろいろなジャンルがあるのに、私のこういうところが好きだって思ってくれる人に発信してけばいいんだと、やっと考えられるようになりました

田中:今日、ご持参いただいたアート作品の数々は、いつごろ制作されたものですか?

浦上:本当に最近です。だいたいが2021年です。子どもが小っちゃかったので、そっちに時間が取られて。

田中:へー、そりゃすごい!チョコちゃんから最近のアートまでは、ずいぶんと時間が空いたんだけど、最近かなりの作品を産んだということ?温めてきたものがあったとか?

浦上:そうでもないんです。その間は、普通のお母さんをしていました。ガキビズの正田さんから1つに絞ろうってヒントをいただいて

田中:ガキビズの正田さんは、大垣市の起業家や中小企業には欠かせない存在ですから

浦上:本当にそうなんですよ。BASEとかでショップをやっているんですが、何でも屋さんみたいにしてしまっていて。やっぱりわかりにくいからって、一旦MojiBaを中心でやっていこうみたいになって。私のアートには弱点があるんですね。見えないから、遠くからだと。

田中:確かに。今日も、実物を見て驚きました。正田さんとの出逢いも愛子さんの心を動かす原動力になったということですね。彼は個性もアイディアもあるし。

浦上:SNSではちょっと難しいと思っていたら、じゃあそこを強みに変えようって。遠くからも近くからも楽しめるようにしましょうって。正田さんにはいろいろとご紹介してもらって、そこから動き出している感じです。


本当は、小さいころから
動物の仕事がしたかった。

田中:モチーフは動物が多いんですね。このゾウの親子なんて、「LOVE」とか「tenderness」とか「PEACE」とかで描かれている。

浦上:そうですね。動物が一番好きなんで。アートより動物の方が小っちゃいころから好きだったので、ムツゴロウ王国とか見て号泣していましたよ。本当は、動物の仕事がしたかったんです。獣医さんとか動物園の飼育員とか。

田中:動物への深い愛情を感じます。最近は、モノトーンだけではないのですね。

浦上:いろいろとやってみようって思っていて、個展のたびに新作を出すので、ちょっとチャレンジしてみようとか、色を足してみたらどうだろうとか。

田中:動物以外は描かないんですか?

浦上:いいえ。今、クルマのオーダーがあって。

田中:クルマ?

浦上:それは、新境地なんですが。

田中:じゃあ、動物以外でもお願いすれば描くこともあるんだ。

浦上:ペットがいない方だと、子どもを描いてほしいとか。

田中:子どもにとっては、いい思い出になりますね。

浦上:クルマも描けないと思っていましたが、クルマがすごく好きだからっていわれて。その時にわかったんですね、何かに愛情を持っている方のものなら描けるって。やはり愛情にこだわっています

田中:実物を見ていると、その愛がよく伝わってきますよ。浦上さんみたいな方とお話させてもらうと、いろいろなこだわりがめちゃくちゃあって。主張が強い方もいらっしゃるんですが、浦上さんはどちらかというとナチュラルな印象を持ちました

浦上:そうなんです。だから、普通なんですって。

田中:このアートを制作されているところを見てみたいです。きっと、やさしい笑顔で描かれていると思いますよ。

浦上:動物を描いてる時は、かわいいと思ってやっています。飼い主さんのオーダーで描いている時は、これを見た飼い主さんが、うちの子はやっぱりかわいいと思ってくれるといいなと。その気持ちがわかるんで、犬バカっていうか、親バカっていうか。


ウミガメやシロクマを、
海洋汚染を訴える言葉で。

田中:ウミガメやシロクマは、また少し違うモチーフで描かれてますね。これはまさに地球環境への警鐘だ。SDGs視点ですね

浦上:ウミガメは「プラスチックを減らしてください」、シロクマは「氷が必要です」という言葉で描いています。主婦目線でSDGsについて何かやりたいとは思っていたんですが、子どもがきっかけでこうしたアートづくりを始めました

田中:お子さんがきっかけかぁ。子どもの感性はピュアだから気づきも多いかと。

浦上:子どもがプラスチックを食べたウミガメをテレビやYouTubeで見て、とてもかわいそうだと思ったんでしょうね、ママどうしてこんなこことが起こるのって聞いてきたんですよ。そこで、捨てられたゴミの行方のことを教えてあげたら、外へ遊びに行った時に、ウミガメが死んじゃうとかいってゴミを拾いだしたんです。ある時、子どもがゴミを拾おうとしたので、それ汚いから触っちゃダメっていってしまって。子どもがどうして?って。ママも、ウミガメさんが死んだらいやだよねって話したのに。その時に、私みたいに矛盾する大人がめっちゃいるんだろうなと思ったんですね。それで、ちゃんとしないとって思ったので、ごめん、ママが悪かったっていって。

田中:やっぱりこういう方だからこそ、愛情あふれるアートが描けるんですよ。今、それを更に確信しました。

浦上:だったら、ゴミを拾う方法を考えようって。トングみたいなのを買ってきて、いつでも拾っていいからって、そしたらいつでも拾うんですよ。それで、従兄弟が大学生なんですが、子どもと一緒に公園に遊びに行ってくれた時に、子どもがゴミを拾うから、それを見て、従兄弟がSNSで発信してくれて

田中:そういう感動したことをSNSですぐに広げていけるって、本当にすばらしい時代になりましたね。浦上さんの気持ちがすごくわかります。

浦上:こんな小っちゃな子がやるんだから、私たちもやっていかないといけないって。私も、何かやろうと思っているだけじゃなくて、実際に行動しないといけないってことで、1つ目のアートを描き始めました

田中:子どもたちが大きくなった時に、地球がこのままでいいのか、それは今を生きる大人たちの責任なので

浦上:私たち大人のしわ寄せが、このピュアな子どもたちにいくのかってね。

田中:先日、大学生がカーボンニュートラルについて考える国際シンポジウムのなかで、こんな地球にしてしまったのは大人たちのせいだと憤慨する大学生がいましたよ。それから昨年末、大垣市上石津町の小学校から、1年生から6年生に向けにSDGsの話をしてくれって。どんな切り口で話そうかと考えて、上石津町がなくなったらどうする?って、聞いてみたんですね。すると、それはいやだからって、すごく意見をいってくれる。同じようなことが岐阜県郡上市の中学校でもあって、自分たちの住むまちをもっと生き生きしたものに変えるっていうんですよ

浦上:すごい。

田中:だから、ぜひ協力してくださいって、先生がいわれるんですね。

浦上:もう、協力するしかない。

田中:子どもたちの未来だし、やがて子どもたちが結婚して、また子どもが生まれて。だから未来に向けて僕たちは伝えねばならないこと、残さねばならないことがたくさんあるのです。

浦上:そう、続く。そうなんです。


やれることが見つかって、
ちょっとうれしい。

田中:浦上さんはこういうメッセージをアートで表現され、地球の危機信号を発信していけるところに、私はとっても魅力を感じています

浦上:ありがとうございます。MojiBaだからメッセージにすればいいんだと気づいた時に、私がこれをしなさい、あれをしなさいっていっても、子どもすら聞かないですし、それなら、動物たちの声として発信したら少しは伝わるんじゃないかと。私が、自分の子どもがゴミを拾うのを見て変わったように、大人たちがそうなっていくきっかけになればと思っています

田中:自分の失敗談を話されるところが、謙虚な浦上さんらしいですね。SDGsは、子どもから教わったってことですね

浦上:はい。自分がいった以上は、やっぱり責任を持って、矛盾しないように行動しないと。

田中:こういうメッセージはご覧になった方たちにちゃんと伝わって、きっと大人たちが変わっていくきっかけになると思いますよ

浦上:でも、気がつかないとやばいってなりますよね。このままでは終わるぞ、地球みたいな。

田中:よくウォッシュっていう言葉が使われていて、やります、やってますで終わってしまう人が、実はたくさんいて

浦上:いや、でも、そうだと思います。

田中:だから、本当に1人、1人でいいかなと思っていて。でも、とにかく私たちは発信の手を緩めない。世の中のためにいいことを、強い想いを持ってやっているんだから、それは尊いんだから発信しなきゃいけないと

浦上:私は、SDGsへの想いを、アートにしてわかりやすく描いていこうと、これは「プラスチック問題」だし、こっちは「地球温暖化問題」。

田中:いろんなメッセージが、いっぱい描かれていますね。「助けて」とか、「リサイクル」とか。また、こちらのアートは、「リスペクト」という言葉で描かれていて、ちょっとモチーフが違いますね。

浦上:地球環境って問題が大きすぎて、エッ!ってなることもありますが。オーダーによってモチーフも変化します。これは象がすごく好きな方で、お任せっていわれたんで。

田中:でも、今日お会いして思ったのは、やっぱり「愛」がテーマです

浦上:そうかもしれない。

田中:あとは、みんなやさしいですよね、トーンが。目がすごく。何か訴えかけてくるんですが、でもやさいしいんですよ

浦上:自己満かもしれませんが、やれることが見つかって、ちょっとうれしいなと思っています。

田中:そこがうらやましい点ですよ、本当に。アーティストって本当にすばらしいですね。


「もったいないのこころ」の
マーブルクレヨンに共感して。

田中:アーティストとして活動を始められて、みなさんの反応はどうですか?

浦上:SNSで初めてアートを公開した時は、すごく反応がよかったですよ、コメントも多かったし。

田中:うれしいですね。

浦上:みんなきっかけがほしいんだって、そんなに大それたことはできないんですが、小さな一歩を踏み出すことができました

田中:私も、私ごときが偉そうにいってというのはありますよ。でも、いっていかないと変わらないし、いうことでシンパシーを感じていただける方とつながれるので、やっぱり大事なんです。アーティストなので自信を持ってやられていると思ったら、すごく謙虚な姿勢を持っていらっしゃるんで。いや、すごい。見習わなきゃ。

浦上:田中さんも、みんな普通の人間だって安心します。

田中:マーブルクレヨンに関心を持っていただいているようなので、何かコラボレーションできるといいですね。

浦上:4月に、岐菱商事さんで個展をするんですよ。その時に、マーブルクレヨンで子どもたちにお絵描きをしてもらおうと。子どもたちってすごいから。私の4月の目標は、子どもから大人に発信みたいな。子ども向けに個展して、お母さんも気づいてねみたいな。

田中:私は、とにかくSDGsの敷居を下げたいんです。みんなで取り組んでいかないと。あとは、子どもたちから教えてもらう。子どもたちの発想ってとってもピュアですし、さすがに子どもたちにはうそをつけないから。マーブルクレヨンのキャラクターみたいになっているフクロウのイラストは、うちの会社のデザイナーが描いたんですよ。どうしてマーブルクレヨンをやっているのかとか、なぜこれが大事なことなのかまでひろげていかなくてはならない。

浦上:MojiBaじゃなくてもいいってことですね。私の感性をプラスさせてどんどん広げられればいいです。

田中:多くの賛同者で盛り上げていきたい。だれか1人が突っ走ってもダメなので、みんなで想いを共有しながら、軌道修正しながら、こっちだよね、こっちだよねってやっていけばいいと思っています

浦上:本当につながるって大事ですよね。

田中:いや、とてもすてきな方で、一気にファンになってしまいました。

浦上:マーブルクレヨンの「もったいないのこころ」にはとても共感していて、昔からいろいろなものを使い切ることにすごく喜びを覚えるですね。歯磨き粉のチューブとかを切って、本当にギューって最後まで使いたいみたいな。鉛筆も極限までずっと使っていて、それを集めていたんですよ。ロケット鉛筆みたいにできるのかなって。

田中:いいですね、そういうアイデアが。

浦上:マーブル鉛筆、マーブル色鉛筆。それを使ってワークショップとかやってください。

田中:浦上さんとのコラボレーションが楽しみになってきた。その他の今後の予定は?

浦上:7月は大垣信用金庫さん、10月にはフランスのパリで。パリでは、地球環境へのメッセージをアートにしたいと考えています。多言語のMojiBaにして。


SDGsを広めるツールとして
活用してもらえれば。

田中:MojiBaを描いたグッズを販売されているとか?

浦上:リサイクル繊維で作ったMojiBaのトートバッグや、バナナペーパーにMojiBaをプリントしたポストカードなどを販売しています。SDGsのことをまだ知らないとか、SDGsへの取り組みができていないとか、そういったみなさんのきっかけになればいいかなって。これを売りたいというより、SDGsを広げるツールになれば。そんなにたくさんは作っていないので、本当に欲しい人に買っていただければと思っています。

田中:MojiBaは、企業でもステルスマーケティングとしての活用ができそうですね。

浦上:そうなんですよ。例えば、オーガニックの素材にこだわるレストランなら、「オーガニック」や「グルテンフリー」、「ヴィーガン」で描いたMojiBaとか。

田中:おもしろい。

浦上:それを、ポスターとか看板にする。

田中:フードロスを全面にするのではなく、アート作品が「フードロス」という文字で描かれている。こういう見た人が発見する広告手法は、とても印象に残るので、いろいろなところで採用されているんですよ。

浦上:私も仲間を増やしたいというか、結局1人じゃあ何もできないから、いろんなジャンルの方に助けてもらって、一緒にやっていきたいと思っています

田中:これからのご活躍がますます楽しみです。今日は、ありがとうございました。

TOPIC

  • 12 つくる責任 つかう責任
  • 13 気候変動に具体的な対策を
  • 14 海の豊かさを守ろう
  • 15 陸の豊かさも守ろう
※このターゲットはRe:touch編集部の視点によるものです
企業や個人などのオーダーで、
動物以外も描いている。
2021年にアーティストとして活動を始めた浦上さんは、今年の10月にはフランスのパリで開催されるアートフェアへ参加するなど、MojiBaの新しい可能性にどんどん挑戦している。こうしたMojiBaは企業や個人などのオーダーも受け付けており、アートのモチーフやそれを描く言葉を自由に指定できる。これまでになかった斬新な手法で、企業のブランディングや個人の思い出づくりなどに活用できる。
また、動物からのメッセージとして、SDGsへの想いを伝えるため、MojiBaで作ったグッズの販売もしている。「プラスチックを減らしてください」という言葉をちりばめたウミガメや、「氷が必要です」という言葉で埋め尽くされたシロクマを、リサイクル繊維で作ったトートバッグやバナナペーパーに印刷したポストカードなどにしている。
MojiBaのオーダーやグッズは、下記のサイトなどで販売されている。
■浦上愛子さんのWEBサイト https://www.aikouragami.com/

PROFILE

Moji デザイナー
浦上 愛子 aiko uragami

-1982年12月 岐阜県生まれ
-1997年単身渡米
-2009年Glendale Community College卒業
アメリカ留学中の高校&短大ではアートを専攻し、基礎を学び留学時に出された課題が、文字を使って絵を描くきっかけに。
MojiBaを通し、たくさんの人に絵を通して幸せな気持ちになってもらいいろんな問題に関して世界にメッセージ性のあるアートを発信していき、自然界を含め、全ての人が、動物たちが幸せになれるような日を目指して作品作りを続けている。

Gallery
https://www.aikouragami.com/gallery
Instagram
https://www.instagram.com/aiko_uragami/

Re:touch Point!

末来への視座は、未来を実装するためのアクション。

Re:touch
エグゼクティブプロデューサー
田中 信康
浦上さんのアートは、ぜひ現物をご覧いただきたい。文字を組み合わせて描くこのMojiBaは、精緻で、繊細で、そして何より「愛情」に満ちあふれている。浦上さんがモデルとなる被写体を愛することから始め、プロセスにおける記憶がないほどひたむきに取り組み、作品を真摯にそして謙虚に客観視できるからであろう。このMojiBaであるからこそ、多くの人に感動を与え、人の心から心へ伝える力があることを確信した。
浦上さんが地球環境へ警鐘を、動物からのメッセージとしてSDGs視点でのご自身の想いを発信するようになったのは、ご自身のお子さんが「ウミガメさんが死んじゃうから。」とゴミ拾いを始めたことからと聞く。海のない岐阜県の公園でゴミを拾うことが、海洋汚染からウミガメを守ることに繋がる。という素晴らしく純粋な想いに、心打たれない人はいないはず。地球そのものの存亡の危機に瀕しているといっても過言でないこの事実。未来への視座は未来を実装するためのアクションであることが重要であること他ならない。浦上さんのこれからの活動を心から支援したい。